とよさとっこのこうかんにっき

我々が統治する豊里において、誰であろうとこの領域には踏み込むことは許さぬ。ウホウウホウホウホ

はんぺんちくわぶ戦争紀 ~第16話 男子、全校集会の時テロリストが入ってきたら、どのように戦うか考えがち~

「私に“痛心誓言”が掛けられている?」みち子(本当は悪役)は頭にクエスチョンマークが2,3個出た。いや、本当は1個だけだったかもしれない。 「そうじゃ。そもそも“はんぺん”の村はおでん村の監視下に入っており、赤子が生まれたら遠隔魔法で“痛心誓言”を…

はんぺんちくわぶ戦争紀 ~第15話 USB挿すとき大体上と下向き逆に挿す~

「“痛心誓言”を掛けられた最強の魔法使い?」たかしは興味が湧いた。 「それって、もしかしてリミッターを解除したってことですか?」みち子(本当は悪役)は期待に胸を膨らませて聞いた。 「そうよ。たかし、あなたのお父さんはね、いわゆる“技芽盛(ぎがも…

はんぺんちくわぶ戦争紀 ~第14話 雨が降り出すときの匂い好きなんだよね~って言うやつは大体おばあちゃんっ子~

「おいおい村長、みち子が何か企んでるだって?冗談は顔だけにしてくれよ! 何を隠そう、俺とみち子は世界を救おうとしているんだぜ!」たかしは村長が聞きやすいように程よく低めだが甘さを効かせた声で言ってあげた。 「世界を救う、、、、、、?いったい…

はんぺんちくわぶ戦争紀 ~第13話 絵を描いてて「”赤”取って」や、「”青”取って」は”色”付けなくても伝わるけど「”黄”取って」は”色”抜きでは伝わりにくい~

今から5時間前、よしきとの戦いが終わり、たかしの村に帰ろうとしていた時――――― ▼▼▼ 「くそ!何でだ!」みち子(本当は悪役)は手に汗を握りながら、目を血走らせかなり焦っていた。 「なんだよ、、、どうしたっていうんだ?」たかしは腹痛で弱弱しくみち子…

はんぺんちくわぶ戦争紀 ~第12話 正義の味方は遅れてくるって、結構な罪~

よしきは奇声をあげながら剣を振りかざし、みち子(本当は悪役)に襲い掛かろうとする。 ガキィィィィィン! わたるが自分の『手剣』でよしきの攻撃を防ぐ。 ガキィン!ガッ!ガッ!ガキィィィィン! 激しい攻防が繰り広げられる。 「っく!」わたるはめちゃ…

はんぺんちくわぶ戦争紀 ~第11話 新しくノートを買ったとき、最初の一ページ目だけ丁寧に書く~

総帥は5Gに力を分け与えると、暇そうにしている一人の青年に声を掛けた。 「君、名前は?」 「よしき。」彼はみち子(本当は悪役)にシカトされショックを受け、その影響で歯が抜けてしまった、元みち子(本当は悪役)のファンである。今はみち子(本当は悪…

はんぺんちくわぶ戦争紀 ~第10話 子供の頃、家に帰宅して誰も居ない時、怖いから「いるには分かっているぞ」って言いがち~

みち子(本当は悪役)は相当嫌がったが、たかしの提案でわたるを連れてカフェにいた。 「いやー、わたる君僕と同じ村なのかー。僕あまり外に出ないから近所さんとか分からなくてねー。」たかしは自分の脈拍を測りながら、肩でエイトビートを刻んで話しかける…

はんぺんちくわぶ戦争紀 ~第9話 時計の針ってよく見てるとたまに針が戻るんですね。なんでですの~

みち子(本当は悪役)は村の預言者の所に居た。 「どういうことですか!あの時、あと5年後に“あること”が起こるって言ってたじゃないですか!」みち子(本当は悪役)は酒焼けした声を荒げる。 「うむ。あの時ワタシ忙しくてな。4年も5年も変わらないかな…

はんぺんちくわぶ戦争紀 ~第8話 爪切った後って鼻ほじりにくいよね~

遠い昔の出来事。 はんぺん(本当は脇役)と、ちくわぶという者が争っていた。 この争いは過去数百年と続いており、約100年前に争いは終結した。 結果はちくわぶの勝利。 と、されている。 ちくわぶはその後勢力を拡大し、はんぺんの歴史を無くし、はんぺん…

はんぺんちくわぶ戦争紀 ~第7話 方位磁石ほど繊細なものはない~

「うぅ、、、、、、、、、、。」たかしはお腹を抱えている。 「ったく、だらしないわね!せっかく期待したのに!」みち子(本当は悪役)はガチギレだった。 何があったかというと、たかしは山本さん(98)の髪の毛を奪い取り、その毛からだんごを作るまでは…

はんぺんちくわぶ戦争紀 ~第6話 酒は飲んでも飲まれるなって言葉考えた人TENSAI~

「このまま順調にいけば予定通りに事が進むな。」暗い部屋の中で細身の男が言う。 「まだ気は抜けないがな。」隣でハンバーガーを食べながら巨漢の男が続く。 「ずいぶん慎重だな。何か不安でもあるのか?」離婚届を書きながら中肉中背の男がさらに続ける。 …

はんぺんちくわぶ戦争紀 ~第5話 ただのお湯のくせして白湯っていうと御洒落に聞こえる~

「あれ、俺寝てたのか、、、」たかしは眠りに入る前の記憶が無く、よし子に問い正したがよし子は冷たくあしらった。 そしてふとテレビに目を向けると、みち子(本当は悪役)が殺人の容疑で捕まっていた。これはただ事ではないと悟ったたかしは、悟りまくった…

はんぺんちくわぶ戦争紀 ~第4話 銭湯で体洗わないで浴槽入るやつなんなん?~

「いてててて」 トイレにこもっているたかしは今後、リミッターを外す為にどうすればいいか考えていた。 「いったいどうすれば、リミットを外すことが出来るんだろうか。てかヒントも何もなしに分かるわけねえからな… よし、とりあえず周りの人に聞いてみる…

はんぺんちくわぶ戦争紀 ~第3話 野菜ジュースって日が経つとざらざらする~

みち子(本当は悪役)は仲間を探していた。 みち子(本当は悪役)には時間がなかった。 みち子(本当は悪役)には先見の明があった。 みち子(本当は悪役)は力のない者は嫌いだが、力にものを言わせて弱い者いじめをする者はもっと嫌いだった。 「大丈夫か…

はんぺんちくわぶ戦争紀 ~第2話 友達の実家の電話番号はなぜか覚えている~

「たかし! ほら、たかし!いいかげんおきなさい!!」 「うるせえ!ババア!俺に指図すんじゃねえ!」 「あんた誰のおかげでご飯食べられてると思ってんの! おかあさんね、前から言おうと思ってたんだけど、あんたは感謝の気持ちが足りなすぎるよ!! もっ…

はんぺんちくわぶ戦争紀 ~第1話 朝食がパンの人はだいたいデブ(偏見)~

ある日、地球は終わりを迎えた。 いや正確には、終わりを望んでいたのかもしれない。 激しい音とともに地面が動き出し、大きな地割れが起きた。 割れた溝を中心にして、海が飲み込まれていき、山は崩れ落ちた。 世界中で同様の現象が起き、その日を境に地球…

灼熱疾風風林火山part20

「いやー、今日もあちーなー。」武田は滝のように汗をかいて隣にいる胡里美に話す。 「いや、この時期そんなに汗かいてるの武田位だかんね。」胡里美は引き気味で言い放つ。 「にしても、こんな風に二人で出掛けるのもすごい久しぶりだよな。しかも動物園に…

灼熱熱風風林火山part19

武田は今川の遺体のそばに置いてあった“ゴリラ星人薬”と書かれた小瓶を手に取る。 「ふう、あまり暴れないでくださいよ。それにしても見事な姿ですね。上半身がゴリラに成るのは一種の賭けだったのでね。正直驚きました。そして私の〈下半身が動物にナール〉…

灼熱熱風風林火山part18

――――――――――――――― 武田はボイスレコーダーの音声を聞き終えると大きく息を吐いた。 「そうか今川。お前は梨美がいなくなってからずっと一人で戦っていたんだな。 お前は梨美がいなくなってから何故だか俺と竹ノ内さんのもとから離れていったよな。 なんで俺に…

灼熱疾風風林火山part17

「記憶が、、、、、、、、、、、、ないのか?」ゴリ五郎は元の人の姿になった胡里美に恐る恐る聞いてみる。 「え、、、、、、、。あ、、、、、、、。はい。あのー、、、、、、私どうしたらいいでしょうか。」胡里美は取り乱しているゴリ五郎に気を遣い、口元…

灼熱熱風風林火山part16

二か月が経ちゴリ五郎は釈放された。 警察はゴリ五郎の別荘に居るゴリラを野生の勘で徹底的に調べたが、今の警察にはこのゴリラが元は人間であったという証拠を得ることが出来なかった。警察はゴリ五郎に尋問をしたが、“このゴリラは人間ゴリラ第一号だ”の一…

灼熱熱風風林火山part15

武田が別荘に着いた時には辺りは暗くなっており、誰も武田のモンキーウォークを見る術がなかった。そしてモンキーウォークをしていると偶然それは見つかった。 「なんだこれは。ボイスレコーダーか?」武田はびしょ濡れのボイスレコーダーを手に取り再生させ…

灼熱熱風風林火山part14

―――― 24年前初夏 胡里美当時14歳の時に事件は起きる ―――― 授業が終わり武田は部活に向かった。 「あー、だるい。なんでこんな部活に入ってしまったのか。」 武田はツーダブルセカンドツイントゥワイス部に所属していた。この部活はこの世のあらゆる2番…

灼熱疾風風林火山part13

武田は車に乗り込むと、まだ使い慣れないゴリラの手でナビに行き先を入力した。 そしてふと、上司である竹ノ内の事を思い出していた。 「あの人は本当に面白い人だったなぁ。よく飲みにも連れて行ってもらってたっけか。あの人は泣き上戸で酔っぱらうと大変…

灼熱熱風風林火山part12

今川は中途半端なことが大嫌いな性格で、良くも悪くも美容師としての仕事にはさほど影響はなかった。その性格ゆえか今川は、先程の武田のスキンケア等の一連の流れるような動きを見て、特に何も感じなかった。 ドサッ、、、っと今川はソファに座るとお尻に何…

灼熱熱風風林火山part11

武田の部屋にやってきた今川は、武田の姿を目にすると、思わず悲鳴をあげた。 「なんですかその姿!?!? ゴリラ!?!?」 「驚くのは無理もない、実は…」 武田は今までの経緯を事細かに、そして丁寧に、優しく、時には夜眠れない子供に語りかける母親のよ…

灼熱熱風風林火山part10

武田はとりあえず車のクーラーをガンガンに効かせ、体を冷やしフロントガラスに映る自分の姿を見て冷静に考え始めた。 (そうだった。俺今上半身ゴリラだったんだ。ってことはさっきゴリ美を探しに一度外に出た時も、コンビニに電気料金払いに行った時も、、…

灼熱熱風風林火山part9

竹ノ内と呼ばれた青年は笑いながら立ち上がり、部屋を出ていった。 今川はその姿を横目で見つめながら、あとをつけていくことに決めた。 竹ノ内は地下の駐車場に行くと、車に乗り込み、建物から出ていった。 今川も急いで自分の車に乗り、後ろから竹ノ内の車…

灼熱熱風風林火山part8

「ゴリ美!ゴリ美!」武田は必至の形相で7回くらい声を掛け続けたが、すぐに無駄だということに気付きゴリ美の冥福を祈った。 テーブルの上に一枚の紙が置いてあることに武田は気付いた。そこにはなにやらゴリラ語で文字が書いてあったが、武田には解読不能…

灼熱熱風風林火山part7

広いリビングに置かれた電話のコール音が部屋中に鳴り響く 「ったく、こんな朝早くから誰だよ」 シャワーから出て、頭をぶっきらぼうに拭きながら、今川は電話にでた。 「はい、もしもし」 「うほうほうほうほほほふほほふほほうほおふほふほおふほふほふい…