はんぺんちくわぶ戦争紀 ~第4話 銭湯で体洗わないで浴槽入るやつなんなん?~
「いてててて」
トイレにこもっているたかしは今後、リミッターを外す為にどうすればいいか考えていた。
「いったいどうすれば、リミットを外すことが出来るんだろうか。てかヒントも何もなしに分かるわけねえからな…
よし、とりあえず周りの人に聞いてみるか!」
たかしはおしりを拭かずに立ち上がり、ズボンも履かずに、トイレを出た。
「なあなあ、ばばあ」
「やめなさい、そのばばあっていうの」
「リミッター解除って知ってる?」
「!!」
突然の息子の発言に、よし子は驚きの顔を隠せずにいた。
「あ、あんた、それどこで…!?」
「なんかしんねーやつが教えてくれたよ。てか母ちゃんなんか知ってるみたいだな。なんでもいいから教えてくれよ。」
よし子は苦い表情を浮かべながら、シカトすることにした。
「おい、なんでシカトすんだよ、教えてくればばあ」
「あ、あんたは知らなくていいことなのよ」
よし子は、小さな声でつぶやくと、たかしの頭に手を当てた。
「あ?なにすんだばばあ、ゆるさ、、ね、、」
たかしの意識はだんだんと遠くなっていった。
よし子のおならには人を眠らせる催眠作用があった。
にぎりっぺと同じ要領で人に自らの屁の匂いを嗅がせると、その人を眠らせることができた。
むろん、自分も対象であるが、、。
よし子もその場で意識が遠くなっていった。
▼▼▼
みち子(本当は悪役)はとても焦っていた。
もうみち子(本当は悪役)に残された時間はわずかしかなかった。
みち子(本当は悪役)も本当にリミッターの解除の仕方がわからず、掛け算九九の仕組みも分からなかった。
とにかく、情報を集めるしかない、みち子(本当は悪役)は自分の村の役所へ向かった。
役所がある道の途中で、はんべそのよしきが話しかけてきた。
「よう、みち子ちゃん。どこいくの?」
みち子(本当は悪役)は考え事をしていたので、よしきの問いかけには全く触れずにいた。
よしきは、そのショックで歯が全部抜け落ちた。
そう。よしきはみち子(本当は悪役)のことが好きだったのである。
よしきがみち子(本当は悪役)のことを好きになったのは、あの日のあの出来事からであった。
おっと脱線してしまったな。
シカトされたよしきはみち子(本当は悪役)に強い敵意を抱いた。
そう。好意と敵意は表裏一体なのである。
よしきがみち子(本当は悪役)に対して、魔法を使ったのは、また後のお話。
役所についたみち子(本当は悪役)は手続きを済ませ、藁をもすがる気持ちで「初心者必見!魔法のすべて」という幼児向けの本を借りた。
ふ、こんなの借りるなんて私らしくないわね。
1人で爆笑しながら、ページをめくっていたら、「もし零技芽になってしまったら」という項目があった。
思わぬ文字におどろいたみち子(本当は悪役)は大きな声を上げてしまった。
「うわあああああああああああああああああ」
その声に驚いた、隣のおじいちゃんの心臓がとまってしまい、殺人犯としてみち子(本当は悪人)は逮捕されてしまった。
みち子(本当は悪人)が読んでいた本は、無造作に地面に落ちたが、黒いフードを被った謎の男(わたる)が本を拾い上げ、役所を出ていった。
つづく