はんぺんちくわぶ戦争紀 ~第12話 正義の味方は遅れてくるって、結構な罪~
よしきは奇声をあげながら剣を振りかざし、みち子(本当は悪役)に襲い掛かろうとする。
ガキィィィィィン!
わたるが自分の『手剣』でよしきの攻撃を防ぐ。
ガキィン!ガッ!ガッ!ガキィィィィン!
激しい攻防が繰り広げられる。
「っく!」わたるはめちゃくちゃ苦戦していた。
「わははははははははは、、、ごほっ!ごふっ!わはははははははははははははは!」よしきは途中咳をしながらも余裕そうだった。
そんな中、たかしとみち子(本当は悪役)は探していた。よしきに勝てそうな『毛』を。
「うーーーん、どれがいいかしら。」みち子(本当は悪役)はわたるが苦戦している横でゆっくりと探していた。
「これなんかどうだ?」たかしは口の周りにポテチの食べかすを付け、横になりながらみち子(本当は悪役)に言う。
「ちょっと、まじめにやってよ。」みち子(本当は悪役)は楽しそうに笑いながら言う。
「ははは、だよなごめんごめん。ちゃんとやるよ。」たかしはみち子(本当は悪役)と楽しそうに『毛』を探す。
「ぐはぁぁぁぁぁぁぁ!助けてくれぇぇぇぇぇぇ!」わたるは一人で頑張っていたが全く歯が立たなかった。そして気を失う始末である。
よしきはわたるを倒し、みち子(本当は悪役)の方を向く。
「次はお前だぁ!みち子ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」よしきはみち子(本当は悪役)に剣の先から魔法を放とうとする。
が、その隙によしきの後ろからたかしが『膝カックン』をくらわす。
するとよしきはみるみるうちに睡魔に襲われていく。
「な、、、、、、んだ、、、、これ、、、、、は。」よしきは地面にうつ伏せに倒れる。
「いやぁ、『膝カックンで人を眠らせる』魔法が戦いで役に立つとは思わなかったなぁ。ってかこの魔法本来どんな場面で使うんだ?」たかしは“アロマセラピスト”の家系の“てつろう”から借りた魔法でよしきをねじ伏せた。
「そんなこといちいち考えなくても良いの。戦いに使えるものはどんどん自分の物にしていくことよ。」みち子(本当は悪役)がよしきの『毛』を盗もうとしたその瞬間。
「がぁぁぁああぁぁぁぁぁああぁぁぁああ!」よしきが覚醒し、みち子(本当は悪役)を目掛けて魔法を掛けまくった。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」みち子(本当は悪役)はたかしがいきなりお尻からすごい量の 茶色いブツ を出したので驚いてしまった。
よしきは目の前が真っ白に、、、、、、、、、、ではなく、まっ茶色になり色々な屈辱感を感じながらそのまま気を失った。
「うぅぅぅぅ、お腹がぁぁ、、、、、、、、。」たかしは原因明確の腹痛に見舞われていた。
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「どうだお前たち。」総帥が5Gに青汁を差し入れながら問う。
「ええ、以前より増して魔力が上がっているような感じがします。」白髪の病弱そうに見えるだけの元アナウンサーが青汁を飲んで苦そうな表情で返す。
「これも古より伝わる“ちくわぶ”の契りのおかげなのでしょうか。」破れたカーテンを縫い直しながら筋骨隆々とした男が続く。
「その通り。これは君たちだからこそ出来ることだ。打倒“はんぺん”を誓った一族だからこそ、、、、、、ね。」総帥は皆を見つめる。
「お前たち、よくぞここまで育ってくれた。
お前たちはこれまでのどの時代の『かまぼこ』、『ちくわ』、『なると』、『いわしだんご』、『さつまあげ』よりも強い“具”になってくれた。これでこそ“5G”だ。」総帥は青汁を吐き気味で感極まっていた。
「私はもう年だ。長年おでん村の英雄と呼ばれてはいたが、、、、、、それはもう私ではない。
君たち“5G”だ。
長く我々に牙をむけ、世界を危機に招き入れようとした“はんぺん”一族が今、復活しようとしている。
どうか奴らを倒して、、、、、、、、、、、、
我々が真の恐怖で世界を支配しようではないか。」総帥は不敵な笑みを浮かべそうになりながら“5G”を奮い立たせた。
「「「「「はっ!!!!!」」」」」5Gは合唱練習をしていたので息ぴったりだった。
▼▼▼
あれから5時間近くが経ち、みち子(本当は悪役)たちはたかしの村に居た。。
たかしはトイレに籠っており役立たず。
わたるは全身打撲でもはや役立たず。
役立たず×2に何も期待せず、みち子(本当は悪役)は一人でよしきを縛り上げ自白剤を飲ませようとした。
「さあ教えなさい!あなた達のボスの居所を!」みち子(本当は悪役)はイライラしながらよしきの髪の毛をバリカンで刈りながら、ながら運転はいけないとわかりながら問い詰める。
「誰が教えるかよ。お前は俺をシカトしたんだぞ。許さん。」よしきは頑なに言わなかった。
みち子(本当は悪役)は自白剤を飲ませる。
「おでん村だ。ボス達はおでん村に居る。」自白剤の効果は抜群だった。
「『おでん村』って、、、、、あの?
“達”ってことは仲間がいるのね?」みち子(本当は悪役)はさらに追加で自白剤を飲ませる。
「ボスには5人の屈強な部下がいる。あの方々は強い。何やら最近ボスがその5人の部下たちに力を与えたらしい。ただでさえ強いのに、もう誰もあの方々を止めることはできない。」よしきは流暢に話をする。
「ボスはどうやらお前を危険視していたが、俺が魔法を掛けたからな。何もできまい。そもそも貴様にはおでん村にたどり着くことも出来まいがな!」くくくくくく、とよしきは言いかけてそのまま気を失ってしまった。
「おい!私ではたどり着けないとはどういう事だ!おい!
しまった。自白剤を飲ませすぎて気を失ってしまったか。こやつに掛けられた魔法の解き方を先に聞いとくんだった。っくそ!」みち子(本当は悪役)はたかしをトイレから無理やり連れ出す。
「たかし。私をこの村の村長の所へ連れて行ってくれ。」みち子(本当は悪役)はたかしのお尻を見ないように、たかしの目を見て意思を伝える。
たかしはみち子(本当は悪役)の目を見ながら、自分のお尻を手で触り、ブツの感触を、そのぬくもりを、その手で欲しいままにしていた。
つづく